2676年 4月 5日 探訪
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此方は
【上河内村冬室 名稱不明橋】
依り百五十米程前川を上つた處に架る橋であります。 もうぱつと見で結構な年代物と分る姿が手荒く素敵でありますが、扨、實際の處は如何なのでせうか。 と云ふ事で、此方右岸側から見て行きます。 |
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上流側は無記名の儘であります。 併しも少し上に行きますと砂防指定地域の看板が在るのでありますが、流石と云ふ感じで川牀も整備されて居りますね。 |
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上町橋。 白い、多分花崗岩かなと思ふのでありますが、其處に塗料で書かれた銘板、而も南向と考へれば、良くぞ普通に讀める状態の儘で在つてゐて呉れたなと云ふ感じてあります。 而も隣の道祖神か何かを祀つた祠も、何處からか移動されて此地に來たと云ふ感じが亦良い雰圍氣であります。 但し現在では空に成つて居りますが。 因に、之で「カミマチキヤウ」と讀む樣であります。 如何した物だらうと思ひ、念の爲に國交省の橋梁點檢云々のPDFフアイルで調べました處、竣功年度不明で書かれて居りましたので、多分此方だらうと思つた次第であります。 併し、親柱の下に側溝が在る樣なのが何共、ええ。 |
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竣功年度不明とは云へ、高欄の意匠は何方かと云ひますと昭和廿年代風、と云つた感じでありますね。 例へば此方、 【河内町白澤 萬年橋】 と似てゐる意匠に思へます。 では、左岸側へ移動致します。 |
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左岸側下流側には銘板が附て居りませんでした。 何と無く附てゐた樣な感じに見え無くも無いでありますが、苔生した感じから致しまして、多分元から此儘だつたのかも知れません。 併し、と云ふ事は、兩岸其々共向つて右側の親柱にだけ銘板が在つたと云ふ事なのでせうか。 |
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と云ふ事で右側、と思ひましたら、此方にも銘板は御坐いませんでした。 併し何か、上流側の高欄、親柱は作りがしつかりとしてゐる感じが致しますね。 |
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右岸側に戻り上流側から桁を見ますと、如何やら牀板橋と云ふ形式の樣であります。 あ、橋臺横に階段が在るので下に降りられますね。 |
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嗚呼、矢張牀版橋だ。 と思ひましたら、下流側は違ひますぞ。 其に良く見れば橋臺も上流側は附足されたゐるのが明白であります。 之は何かわくわくして來ましたね。呵呵 併し川牀近くに水路が通つてゐると云ふのも素敵であります。 |
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嗚呼、矢張基本的にT字桁の橋だつた處に、道路擴幅で桁を附足たのでありますね。 併し橋長が短い爲でせうか、横桁は入ら無い儘で川を跨いで居ります。 其と、橋臺部分なのか桁の部分なのか分りませんが、鐵筋の入り方が見えてゐるのが興味深いであります。 |
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て云ふか、ええ!? |
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ええ!? 其二 |
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ええ!? 其三 何でせう、型枠の上に敷いてゐた紙が其儘殘つてゐると云ふ事なのは間違無いでありますよね。 併し良く今迄増水等でも流されずに殘つてゐたなと手荒く感心致します。 扨、其々の特徴を考察して見ますと、全て左書と云ふ事。 但し部分的に漢字は舊字體でありますし、瓩「キログラム」と書かれてゐる物も在る、と云ふ事であります。 一寸宇部興産の袋だけが讀辛いのが殘念でありますが、之も或る意味歴史的資料と成り得ますよね。 以上の特徴からも、多分に昭和廿年代に造られたと云ふのが確實では無いかと思はれます。 併し、何社ものセメントを使つてゐたのでありますね。 若かして、混ぜた方が依り良かつた、とかは無いでありますよね、小麥粉とかでは無いのでありますから。呵呵 |
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嗚呼、斯うして下流側から眺めますと、拙の大好きな、手荒く美しい混凝土T字桁橋であります。 あ、さう云へば、排水桝が地覆の方に附てゐる事に全く氣附ませんでした。 |
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親柱と側溝の位置關係、納得であります。 と云ひますか、之は側溝の方が元から在つて此混凝土桁の橋に架替る時に在る程度壞したと云ふ事では無いでせうか。 と云ひますか、桁の上に作られてゐたのでありますね、親柱に當る物。 |
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扨、も一度下から見てみますが、擴幅側も元の桁と平行してゐる譯では無いのでありますね。 左岸側の方が擴幅率が多かつたと云ふ事でせうか。 |
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扨、では竣功年の推察でありますが、昭和廿四年の航空冩眞では樣子が違ふ感じが致しました。 其後は昭和卅八年の冩眞に成つて仕舞のでありますが、其時にはもう此方の姿なのは確實であります。 さう考へて行きますと、上記の色々な件も含て推察致しますと、矢張昭和廿年代後半頃の物件なのでは無いでせうか。 して、多分此道祖神も元々は上流側に在つた物が、擴幅に伴ひ下流側に移されたと見て良いのでは無いでせうか。 まあ、何れにしましても、牀版に張附てゐるセメントの袋も含め、ずうつと殘つてゐて欲しいなと思ふ物件でありました。 以上、御附合有難う御坐いました。 |