上河内村中里-宇都宮市上横倉町 國道二九三號ノ前身ニ當ル道 【其五】

2673年 9月 24日 10月 7日 探訪

 【其四】からの續きであります。

 【現在地】

 側溝が直線的に成つてゐる處を見ますと、線形が隨分と違かつたのが良く分ります。

 さう、何か航空冩眞を見てゐて思つたのでありますが、昔の道つて山肌に添つて進む等、何か猫を始め動物的本能に從つてゐるのだなと思ひました。

 尤も、平地のど眞中を進む依りも土地の有效活用が出來ると云ふ面も有るのでせうが。
 現道は緩く曲り乍進むのに對して、舊線形は直線的な部分が多いであります。
矢張之も其時代性でありますよね。

 之がきつと昭和九年頃に重視された設計なのだと思ひます。
 何でも無い樣な部分でありますが、歩道部分以外は砂利敷の儘と云ふのが素敵であります。

 さう云へば此處、可也以前でありますが、夜、自販機で本を買つた車が逃げる樣に走つて行くのを目の前で見た事が有ります。

 別にね、堂々としてゐれば良いのにと思ふのでありますが、何か、疚しい氣持ちでも有つたのでせうか。

 と云ひますか、今でも自販機の本つて需要有るのでせうか。
 嗚呼、勿論右手でありますよね。
 併し之は本當に舊線形部分だつたのか疑ふ程であります。

 ほとんど畦道の樣でありますし。
 先程の自販機が設置されてゐた場所も含め、現道部分が出來る迄はずうつと砂利道の儘だつたと云ふ事でありますかね。
 とは云へ、現道への接續部分は舖裝されて居ります。

 其と、側溝が在る事から、此方が舊線形で間違ひ無いと云ふ事の證明だらうと思ひます。
 斯う云ふ、舖裝の切目が好きであります。

 以前は一體如何云ふ線形だつたのでせうね。
 まあ本當、良く之だけの道を作り直した物だと感心致します。

 あ、ええ、現道と合流したのも束間、勿論此處を右に進みます。

 【其六】に續く。

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