上河内村宮山田-今里 栃木縣道六三號線バイパスノ前身ニ當ル道 【中篇】

2673年 7月 1日 探訪

 【前篇】からの續きであります。

 【現在地】

 扨、御次は今里交叉點へ向ての部分であります。

 實は此方、現地で初めて氣附たのでありますが、何やら雰圍氣滿點の道でありましたので、之は若しかすると前身に當る道が殘つてゐるのかも知れ無いと、 此處でやつとピンと來たと云ひますか、元々の道が殘つてゐる事を悟つた譯であります。

 何故なら、實は此處つてバイパス完成以前も其以降も、數へる程度しか通つてゐ無い處なのでありますもの。
多分片手で間に合ふ程度、と云へば良いのでせうか。
其位縁の無かつた部分なのであります。

 まあさう云ふ事は措いといて、いざ參ると致しませう。
 入つて直ぐに舖裝の繼目が有り、樣子も勾配も違ふのが分ります。

 多分バイパスを通すに當り、勾配を緩和する樣に、と云ひますか、此冩眞を見て分る樣に、山の裾野を避る樣な線形にした爲、 前身の道との高低差が生じたので、取附部分を削り斯う云ふ具合にしたのだらうと推察致します。

 一枚目の冩眞で見られる法面工は、バイパスを通す爲に斜面を削つた爲に、でせうね。
 否併し、バイパス完成から廿年以上經つて居りますので、兩側から自然が滲蝕して來るのも分るのでありますが、 辛うじて一車線分を維持してゐるのがやつとと云ふ感じであります。

 多分、もう殆ど車は通ら無いのでせうね。
通るとしましても、多分山菜等目當の人や、林業關係の人だけでは無いでせうか。

 で以て、多分九割方が輕トラなのでは無いかなと思つて仕舞ひます。
 して、途中の法面には混凝土補強も何も無しの地肌剥出しの儘の状態でありまして、斯樣な立派な岩が眺められる處が御坐いました。

 平成に入る迄此儘で大丈夫だつたと云ふ事にも驚きでありますが、斯うして見ますと、腐葉土が如何云ふ具合に堆積してゐるのかが分る樣でして、 結構見入つて仕舞ひました。

 御羽黒山も、と云ひますか、自然なら何處にでも見入る場所つて在るのでありますね。
 入つて未だ百五十米程して進んで居りませんが、最早山中の別世界と云ふ感じであります。

 之、舖裝がされてゐ無ければ、林道と云つても過言では無い程度だと思ひます。
 で以て、苔生した舖裝に時々光が射込む森の中と云ふのは、手荒く心地良い物であります。

 新しいのか古いのか良く分ら無い標識が緑一色の風景に彩りを加へて呉れまして、此は今囘の中でも御氣に入りの寫眞の一つであります。
 此處迄ずつと登り基調でありますね。

 切通し的な部分も一箇所しか無い事から、斜面や土地の安定してゐる處を通してゐるのだらうと思はれます。
 と思つた途端に、バイパスを横斷!?バイパスが横斷!?致します。

 いやあ、此先九十九折有りの標識とは裏腹に、然程の曲りも無いなと思つてゐた矢先に、バイパスと交はる部分に出て來たと云ふ感じであります。

 と云ひますか、此部分の事を云つた標識だつたのでせうか。

 併し此處は結構な高低差が御坐います。
且つ、何か無理矢理直交する樣に線形改良されてゐる樣がアレな感じでありまして、何も斯う云ふ處迄さうする必要が有るのだらうかと思つて仕舞つたのでありますが、 其處は其、道路使用者が居るであらう限り、絶對的に必要な措置なのでせうね。
 まあ其は扨措き、とつとと渡つて先に進みませう。

 斯う云ふ具合に冩しますと、新舊道の對比が出來るでせうか。

 併し、ちやんと使へる道にした筈でありますのに、斯う云ふ具合つて如何なのでせう。
何かすつかり廢道的な状態に成つてゐる樣な氣がし無いでも無いのでありますが。

 之は想定内、の樣な氣が致しますが如何なのでせう、實際。
 何と云ひますか、之は看做し廢道だらうと思ふのであります。

 否ね、別段進むのに苦には成りませんがね。
 うわあ、道端に野苺であります。

 實はさう、御羽黒山界隈には野苺が結構群生してゐるのであります。
食べようかな共思つたのでありますが、アレ檢査し無いと念の爲アレでせうから、勿體無いでありますが我慢致しました。
 うん、もう既に林道かと思つて仕舞ひます。

 併ししつかりと轍が殘つてゐると云ふ事は、是でも道としての需要が有ると云ふ事なのでせう、ね。
多分。
 さう云へば、此方側もずつと登り基調でありますね。

 【後篇】に續く。

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